”実家じまい”のススメ~家族に負担を残さないための不動産整理のポイント~
こんにちは。サードブレインです。
皆さんは、実家を将来どうするか考えたことはありますか? 親が高齢になり施設へ入居したり、相続によって実家を引き継いだりした場合、誰も住まなくなった住宅が空き家になるケースが増えています。住宅は大切な資産である一方、適切に管理しなければ家族に大きな負担を残すことになります。そこで近年注目されているのが“不動産の終活=実家じまい”です。終活というと、遺言書の作成や財産整理をイメージされる方が多いかもしれませんが、不動産は現金のように簡単に分けることができないため、事前の準備が重要になります。
そこで今回は、“実家じまい”について具体的な進め方などをご紹介したいと思います。

1.実家じまいとは?
実家じまいとは、親が住んでいた家を整理し、売却・解体・活用などの方法で手放すことをいいます。かつては親から子へ住まいを引き継ぐことが一般的でしたが、近年はライフスタイルの変化により子供が実家を継承しないケースが増えています。親が高齢者施設へ入居した・子供が県外や都市部で生活している・今後も住む予定がない・空き家管理が難しいなどといった理由から、実家をどうするべきか悩む方が増えています。実家じまいは単なる片付けではなく、家族の思い出や財産を整理する大切な終活のひとつです。

2.なぜ、実家じまいが必要か?
親が亡くなった後や施設へ入居した後、誰も住まなくなった実家が空き家となると、様々な問題が発生します。
①税金や維持費がかかり続ける
空き家であっても所有者には税金の支払い義務や建物の管理義務があり、維持費がかかります。主なものは、固定資産税・都市計画税・火災保険料・修繕費・庭木や雑草の管理費などで、定期的に費用が発生するため長時間放置すると大きな負担になります。
②建物の劣化が進む
住宅は人が住まなくなると、換気不足によるカビ・雨漏り・白アリ被害・給排水設備の劣化など、急速に傷みます。こうした問題が発生すると資産価値が低下し、売却時の価格にも大きく影響します。“まだ売らないから大丈夫”と思っているうちに、売却が難しくなるケースもあります。
③近隣トラブルの原因になる
空き家の管理が行き届いていないと、雑草が茂る・害虫やねずみなどが発生する・ゴミの不法投棄・建物が一部落下もしくは倒壊する、などの問題が発生します。近隣住民から苦情が出ることもあり、場合によっては損害賠償責任が生じる可能性もあります。
④相続トラブルにつながる
不動産は分割しにくい財産です。複数人で相続した場合、売却したい人・残したい人・自分で住みたい人など、それぞれ意見が異なることがあります。親が生前に遺言書などを残していなかったために話し合いが長引いたり揉めたりするケースも珍しくありません。“いつか考えよう”と放置している間に、売却しづらい状態になってしまうこともあります。

3.実家じまいを始めるタイミング
実家じまいは相続後に考えるものと思われがちですが、本来は親が元気なうちから話し合うことが理想です。親の意思を確認できるため、実家を残したいのか・売却したいのか・誰かに相続させたいのかなどといった希望を把握できます。また、相続後の家族間トラブルも防ぎやすくなります。

4.実家じまいの進め方
①家族で話し合う
まずは、家族全員で将来について共有しましょう。誰か住む予定はあるか・相続人は誰か・売却する意思はあるか・誰が管理をするか・仏壇や家財はどうするかなど、最初に方向性を決めることでその後の手続きがスムーズになります。
②不動産の現況を確認する
主な確認ポイントは、築年数・建物の状態・土地面積・接道状況・境界の有無、などです。思っていた以上に価値がある場合もあれば、逆に修繕が必要なケースもあります。特に売却する場合は、現況を把握することが重要です。
③財産や権利関係を確認する・必要書類を整理する
土地や建物の現況の他に、財産や権利関係も確認して書類を整理しておきましょう。登記識別情報・住宅ローンの有無・固定資産税評価額・土地の境界・測量図・建築図面・リフォーム履歴など、把握しておきます。相続した不動産の場合は、名義変更の状況も確認しておきましょう。

④不動産査定を受ける
不動産の価値は、地域や市場環境によって変動します。査定を受けることによって、売却価格の目安・賃貸活用の可能性・解体の必要性などを把握できます。まだ売却すると決めていない場合でも、不動産会社へ相談することで現在の市場価値がわかり、売却と活用の比較ができ、地域の需要を踏まえたアドバイスも得られます。まずは、不動産の現状を把握することから始めましょう。
⑤活用方法を検討する
売却はもちろん、賃貸物件として貸し出す・駐車場として活用する・リフォームして再利用する・解体して土地活用するなど、立地や建物の状態によって最適な活用方法が異なります。様々な選択肢があるので、ぜひ専門家に相談しながら検討しましょう。
⑥家財整理を行う
実家には長年の思い出や家財道具が残っています。アルバム・貴重品・家具・衣類などを整理しながら、必要なものとそうでないものに分けます。最近では生前整理として、親と一緒に進める家庭も増えています。

5.実家じまいの主な選択肢
①売却する
最も多い選択肢です。売却することで、管理の手間がなくなる・現金化できるというメリットがあります。相続人が複数いる場合も財産分割しやすくなります。
②賃貸として活用する
立地条件がいい場合は、賃貸住宅として貸し出す方法もあります。家賃収入が期待できる反面、修繕費・空き室リスク・管理業務などを考慮する必要があります。
③解体して土地活用する
建物が老朽化している場合は、解体という選択肢もあります。更地にすることで、土地売却・駐車場経営・資材置き場など活用の幅が広がります。


6.実家じまいで後悔するケース
“親との思い出があるから・・・”と、空き家のまま所有し続けるケースもあります。しかし実際は、年間数万~数十万円の維持費・管理のための帰省・老朽化への対応などが必要になり、大きな負担になることがあります。感情だけでなく将来の維持管理まで含めて判断することが大切です。
また、“まだ親が元気だからそんな先のことは考えられないな・・・”と、親が亡くなってから初めて実家について考え始めると、書類が見つからなかったり相続人の意見がまとまらなかったりといった問題が発生します。“その時”は必ずやってきます。事前準備をすることで将来の負担やトラブルは大きく変わるので、お正月やお盆など家族が集まるタイミングで話題にしてみてはいかがでしょうか。
実家じまいは、家を手放すことだけが目的ではありません。親の想いを尊重しながら、将来家族が困らないよう準備をすることが本当の目的です。まず“現状を知ること”から始めてみましょう。弊社へもお気軽にご相談ください。



