"売れる土地"と"売れにくい土地"の違いとは?
こんにちは。サードブレインです。
土地は、広さ・向き・形状・地域等の条件で価格が変化します。同じ広さでも価格が変わってくるのですが、その違いは何なのでしょうか。

1.需要が高く、高値で売却できる土地の条件
まず、高値で売れやすい土地の条件4つをご紹介します。
- 立地が良い
駅から徒歩5分のいわゆる“駅チカ”といわれるエリアや、スーパー・コンビニ・病院・学校など生活に必要な施設が近くにあるエリアは、利便性が高いので高値で売れやすい傾向にあります。他にも、日当たりがよい・広い道路に面している土地なども人気です。
- 建ぺい率&容積率の条件が良い
土地は単に広ければいいというわけではなく、どれほどの大きさの建物が建てられるかが重要になります。建築可能な建物の大きさは、土地ごとに定められた建ぺい率や容積率によって決まります。建ぺい率は“敷地面積に対する建築面積(真上から見た建物の面積)の割合”で、容積率は“敷地面積に対する延べ面積(建物の床面積の合計)の割合”のことです。この割合が大きい土地ほど大きな建物が建てられるので、価格は高くなります。

- 用途制限を受けにくい
土地には“用途地域”という区分けがあり、それぞれ建築できる建物の種類や用途(住居用・店舗・工場など)に制限があります。住居が建てられる土地にもさまざまな種類があり、高さなどが制限される場合があります。
例えば、駅近くのエリアは“商業地域”に指定されているため建ぺい率や容積率の制限は緩いですが、防火性に優れた建物を建築する必要があります。逆に駅から離れた住宅地では、建物の高さの制限や店舗用の建築ができないなどの制限があるため、土地の価格が安い傾向にあります。
- 土地の形状が正方形、または長方形
正方形や長方形の“整形地”といわれる土地は、土地を有効に活用して建物を建てられることに加え、庭や駐車場を作りやすく道路との接地面も広いため車の出入りがスムーズなので、人気があります。

2.なかなか買い手がつかず売却しにくい土地とは?
では、なかなか売れない土地の特徴を挙げてみましょう。
- 立地が悪い
通勤通学に便利な“駅チカ”に比べて、駅から徒歩15分以上かかる土地は価格が大きく下がります。車を持つファミリー向けの住宅地であれば多少駅から離れていても需要がありますが、商業施設・学校・病院などが極端に少ない地域は売れにくいでしょう。
- 地盤が悪く災害に弱い
田んぼを埋め立てた土地は地盤が緩く、地震の揺れに耐えられません。また、傾斜地に盛土をした土地は、地震時に地すべりの恐れがありますし、海抜の低い土地は洪水などの被害を受けやすくなります。過去に自然災害が発生した土地もやはり売れにくく、価格が下がります。
ハザードマップを見れば危険なエリアは把握できるので、確認しておきましょう。

- 用途制限を受ける
建物の高さや種類の制限がある土地は、売れにくい傾向にあります。特に“市街化調整区域”に指定されている地域は、開発許可を得られないと建物が建てられないなど規制が厳しいので、非常に売れにくく価格がかなり安くなることがあります。
- いびつな形の土地
形がいびつで、道路に面している部分が狭かったり道路から奥まった場所にある土地は、売れにくい傾向にあります。特に”旗竿地(はたざおち)”と呼ばれる、出入り口が細長くてその奥にまとまった敷地がある旗のような形の土地は、活用しにくく資産価値が低くなります。土地の間口が狭いので車の出し入れもしにくく、消防車などの緊急車両が入りにくいことも安値がつく理由のひとつです。
- 周辺に心理的瑕疵の要因となる施設がある
土地の評価を下げるポイントとして、周辺に人が好まないような建物や場所があるという点も挙げられます。具体的には、墓地・火葬場・事件現場・暴力団の事務所などで、これらの近くの土地は多くの人に敬遠されがちなので売れにくくなります。
- 土地の権利や相続が複雑
所有者が複数いる場合は、少し面倒なことになります。例えば1つの土地を兄弟3人で相続している場合、土地に対する権利をそれぞれが3分の1ずつ持っているので、1人が自分の持ち分を売ったとしても買った人はその土地を自由に使うことができません。売れにくいというよりは、権利関係や相続の問題をクリアにしないと売却できない土地ですね。

3.条件の悪い土地を売却するコツ
このように、様々な条件で土地の価格は左右されます。所有されている土地が高値で売れるものばかりではなく、条件の厳しい場合もあるかと思います。売れにくい土地を売却するコツについて、ご紹介したいと思います。
- 周辺の土地を買い取り大きな土地にする
旗竿地のような土地や接地道路が狭い土地の場合は、周辺の土地を買い取って正方形や長方形に近い形になるようにしてみてはいかがでしょうか。土地の形を整えることによって、価値が上がり売却しやすくなります。
- 隣接している土地の持ち主に購入を持ちかける
逆に、近隣に土地の購入を打診してみるのも一つの方法です。もしかしたら同じように土地の活用にお困りかもしれません。売却や購入を持ち掛ける際は、不動産会社に間に入ってもらうとスムーズに交渉が進むかと思います。
- 悪条件を逆手にとった建築プランを提案する
車の出し入れがしにくい土地の場合、一般住宅を建てるには敬遠されがちですが車を所有していない単身者のアパート用としてなら需要があるかもしれません。自転車やバイクで移動できる範囲にスーパー・コンビニ・ドラックストアなどがあればなお良いでしょう。
坂道の途中にある土地も“浸水の被害を受けにくい・眺めがいい”といったアピールをすると、印象がずいぶん違ってきます。地盤の緩い土地は、当然補強作業も必要です。発想の転換やひと手間を加えることで、売れやすい土地に生まれ変わるかもしれません。

- 複雑な権利関係を解決しておく
立地や土地の形などは好条件なのに、権利関係が複雑で土地の価値が下がってしまうのはとてももったいないことです。他の所有者と相談し、一人がすべての土地を買い取るなどきちんと手順をふんで権利関係を整理すると、土地の価値がかなり上がることもあります。
- 土地の価格を下げる
あれこれ手を打ってもなかなか売れないときは、値下げを検討してみる必要があります。ネット等に掲載している場合は“値段交渉OK”などとコメントしておくのも有効です。特に早く売却したいときは、市場よりも低い価格をつけることで買い手が見つかりやすくなります。
- 複数の不動産会社に相談する
ひとことで不動産会社といっても、マンション売却が得意な会社・戸建売却が得意な会社・賃貸物件を専門に扱っている会社・空き家売却に力を入れている会社など、得意としている分野は様々です。いくつかの不動産会社に相談し、条件のあまりよくない土地を扱うノウハウや実績のある会社を選ぶと良いでしょう。そのまま不動産会社に買い取ってもらう方法もあります。

いくつかご紹介しましたが、やはり個人で動くのは難しく専門の不動産会社が間に入った方がスムーズに進みます。他にも良いご提案ができるかもしれませんので、ぜひ弊社にご相談ください。