"徒歩○○分"は正しい? 不動産表記の謎
こんにちは。サードブレインです。
物件探しをする際に、どのような点を重視していますか? 間取り・家賃・設備はもちろん、駅や勤務先・学校、スーパーや病院までの距離や所要時間も重要ですよね。
物件情報を見ていると“駅まで徒歩〇〇分”といった表記がありますが、実際歩くともっと時間がかかった、という経験をされた方もいらっしゃるのでは・・・。
今回は、不動産情報の“徒歩○○分”の表示基準について、ご紹介したいと思います。

1.徒歩1分はどのくらいの距離?
不動産広告のルールである“不動産の表示に関する公正競争規約施行規則”によると、徒歩所有時間の基準については“道路距離80mにつき1分間を要するものとする。1分未満の端数が生じた場合は、1分として切り上げて算出する。”とされています。
つまり、“徒歩1分=80m”です! 物件情報に“駅まで徒歩5分”と表記してあれば、駅まで約400mあるということになります。
駅の目の前に物件があり道路距離で80m未満だった場合でも、“徒歩30秒”などではなく“徒歩1分”と表記します。
ちなみに1分80mは、健康な女性がハイヒールを履いて歩いた時の平均速度を基準としたそうです。スニーカーを履いた時や男性が歩くスピードは、もう少し速いかもしれませんね。

2.距離の測り方について
距離は、地図上の直線距離ではなく実際の道のり(道路距離)を計測し、徒歩所有時間を計算します。歩道橋や地下道を通る場合は、そのルートで表記しなければいけません。
ただし、信号待ちや踏切待ちの時間は含まれず、坂道や階段があって歩く速度が遅くなるような道でも所要時間の算出方法は一定なので、実際に歩くと時間がかかる場合があります。

3.どこからどこまでの距離&時間?
注意すべき点はもうひとつ。
駅までと表記していても、改札やホームまでの距離や時間ではありません。距離を計測する点は建物の出入り口と決められているので、大きな駅や地下鉄などは改札やホームまで数分かかるケースもあります。
また物件についても、玄関からの距離や時間ではないのです。目的地の出入り口から一番近い敷地の出入り口を計測点とするので、団地やマンションの場合は敷地の入り口から玄関までの距離と時間を考慮しなくてはいけません。
というわけで“駅まで徒歩5分”とは、“物件敷地内の出入り口から駅の出入り口まで、徒歩5分(=400m)”ということになります。

4.車の場合はどうなる?
都心部以外では、“車で○○分”という表記もありますが、車の場合は“1分=400m”です!
この場合も、信号待ちや渋滞の時間を含まず、それぞれの建物・敷地の出入り口の距離で算出します。

“徒歩○○分”はあくまで目安なので、実際の距離や所要時間を知るためには現地で確かめてみると良いでしょう。時間帯や曜日、天候などでも変わってくるかもしれませんね。
