"二季化熱中症"にご注意を!

こんにちは。サードブレインです。

初夏の日差しがまぶしく、さわやかな気候になりましたね。汗ばむ陽気の日も増え、もうすぐジメジメとした梅雨や暑さ厳しい夏がやってきます。
近年、地球温暖化によって春夏秋冬という日本の四季が変化し、春と秋が短くなりその分夏が長くなることで夏と冬の二季になるのではないか、という懸念が広がっています。

1.“二季化”とは?

“二季化”とは、四季のサイクルが変化して夏と冬の季節が顕著になる現象です。特に都心部を中心に観測されています。具体的には、夏の期間が長くなる・春と秋が極端に短くなる・夏の平均気温が上昇する・冬の気温上昇がみられる・冬が短くなる等といった指摘がされています。
これらの変化は、日本の気候に大きな影響を与え、私たちの生活にも影響を及ぼします。

2.“二季化”の影響

“二季化”がもたらす影響として、次のような点が挙げられています。

  • ヒートアイランド現象・・・都市部の気温が郊外よりも高くなり、暑くなる現象。都会は緑が少なく建物が多いので、アスファルトやコンクリート等が太陽の熱を蓄えて熱がこもってしまい、気温上昇の要因となっています。他にも、エアコンや自動車の使用も多いことも要因のひとつです。
  • 熱中症・・・最近では“二季化熱中症”とよばれることもあり、夏の高温が長期化することによって熱中症のリスクが高まります。ヒートアイランド現象での高温化により、さらにリスクが増す可能性があります。
  • エネルギー消費の増加・・・特に冷房の使用が増えることによって、環境への悪影響も心配されています。

その他に、農業への影響、季節の移ろいを感じる日本の文化や生活様式にも変化を及ぼす可能性があります。

3.“二季化熱中症”の危険性と対策

熱中症は、体温調整機能がうまく働かなくなり、体の中に熱がたまって体温が上昇することによって生じます。

従来、7~8月の真夏日や猛暑日に発生することが多いのですが、5月頃からの急な気温上昇により、いわゆる“二季化熱中症”になってしまうケースが増えています。これは、肌寒い気候から急に真夏のような暑さになったため、体が対応しきれず引き起こされます。夏のように体温調節がうまくできないので、ナトリウム(ミネラル)を多く含んだ汗をかいて脱水症状になり、とても危険です。

熱中症の予防として、食事(特に朝食)と睡眠をしっかりとる・水分補給と塩分補給をこまめにする・暑い時間や直射日光下での活動を避ける、などが挙げられます。少しでも熱中症の症状が出た場合は、安静にして速やかに水分補給や冷却をし、ひどくならないように早めに対処することが重要です。

4.熱中症の予防法、“暑熱順化”とは?

熱中症の予防で一番大切なのは、“暑さに体を慣らす”“暑さに強くなる”ことです。これを“暑熱順化”といいます。2週間程度で体が順応すると言われていますが数日暑さから遠ざかると効果が薄れてくるので、日頃から意識して行い、暑くなる前に体を整えておくことが大切です。
体が暑さに慣れることによって、ミネラル分の少ない汗をかきやすくなり体温調節がスムーズになります。また、皮膚の血流がよくなって熱が逃げやすくなり体温の上昇を防げます。

具体的には、次のような方法があります。

  • 軽い運動・・・ウォーキング、サイクリングなどの軽い運動を1日15~30分行う。
  • 入浴・・・シャワーではなく湯船に浸かる。半身浴でじっくり汗をかくのも効果的です。
  • 日常生活での工夫・・・仕事の帰り道やゴミ出しのついでに歩く、車ではなく自転車で移動する、できるだけ階段を使うなど、汗をかくように意識する。

“暑熱順化”は熱中症予防だけでなく、夏バテや体のだるさを防ぐ効果もあるので、ぜひお試しください。くれぐれもご自身の体力に合わせて無理をせず、しっかり水分補給をして、紫外線対策もお忘れなく・・・。